天文(冬)

冬日,冬日向

冬の太陽のこと。冬日影はその日差しのこと。

冬麗(ふゆうらら,とうれい),冬晴れ,冬日和

冬晴れはその冬の晴天をいい、冬麗はそれを春の麗かさに喩えたもの。

寒晴,寒日和

寒さ厳しい日の晴天のこと。空は抜けるように青く鮮やか。あらゆるものの輪郭がくっきり浮かぶ。

冬旱(ふゆひでり)

晴天続きで雨がないこと。

冬の空,冬天,凍て空,冬青空

日本の冬空。太平洋側は良く晴れて青い。日本海側はどんよりとして、寒天。凍て空。

冬の月,月冴ゆ

他の季節に比べ、さえざえ冷え切った月。小さく引き締まった月。

寒月

冬の月に比べて一段と冷厳な月。

冬三日月

冬の三日月の鋭い印象を詠むときに使う。

冬の星,寒星,凍星,星冴ゆ

冬の夜空に見える星々のこと。

冬銀河

冬の夜空に冴え冴えとかかる天の川のこと。「銀河」は秋の季語だが、寒い大気の中で仰ぐ星帯は秋とは違った趣。

冬北斗

北斗七星のこと。

すばる,寒昴

真冬の夜空を飾る星座として、オリオンと並び賞される牡牛座。プレアデス星団のこと。

オリオン,三つ星,酒枡星

ギリシア神話の巨人狩人オリオンの名に由来する。

天狼(てんろう),シリウス

おおいぬ座のシリウス。青白く、鋭い光をオオカミの目に喩えて名付けられた。日本では青星。

冬凪,寒凪

冬の波の穏やかな状態。凪いでいても、厳しい寒さは変わりはない。

冬の風,風冴ゆ,寒風

冬の風一般をさす。北西の風。西風が多い。

凩,木枯らし

冬の初めに吹く強い北風。語源は「木を枯らす」とも「木の嵐」ともいわれる。

虎落笛

寒く風の強い日に、立木や家や電線や鉄塔など、様々なものに激しく風があたってひゅーひゅーと笛のような音を立てること。

時雨,夕時雨,小夜時雨,時雨心地,時雨の色

冬の初めに降る雨をいう。降る時間は短く、地域も限定されている。

霰(あられ),初霰,夕霰,玉霰

ふつう霰というと、雪あられをさす。雪の結晶に細かな水滴がつき固まったもの。

霙(みぞれ),雪雑(まじ)り,雪交ぜ,氷雨

雨と雪が同時に入り混じって降るものをいう。

霧氷(むひょう),霧の花,木花,霧氷林

氷点下の霧が木の枝や立ち枯れの草などに白く凍り付いたもの。

雪催(ゆきもよい),雪気,雪模様

雲が垂れ込めて、今にも雪が降りだしそうな空模様の意。

雪晴,深雪晴(みゆきばれ)

雪が止んだあとの晴天を言う。雪が止んだ翌朝は、晴れて風のない温かな日が多い。

風花

冬の青空に舞う雪のこと。風花日和。

冬の雷,寒雷

冬に鳴る雷。夏の雷とは違い、少しなって直ぐに止んでしまうものが多い。

冬霞

単に霞といえば春の季語だが、冬に立つ霞をいう。冬ながら春をかいま見るような束の間の穏やかさ。

冬の虹,しぐれ虹

冬の雨があがった後や、ひと時雨あったあとに、おもいがけずかかる虹。夏の虹よりはかなげ。淡い。

冬夕焼(ふゆゆやけ)

夕焼けは夏の季語だが、冬とつければ冬の夕焼となる。短く淡い、束の間の夕焼け。